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しかし、戯言。

ぐうたら社会人がぐうたら思ったこと

「LA LA LAND」とってもハッピーで、とってもビター。

アカデミー賞6部門受賞、監督賞受賞にいたっては32歳で史上最年少、作品賞も受賞・・・と思ったものの、なんと前代未聞の読み間違いで実は別の作品だった・・・ということも含め、話題の映画「LA LA LAND」。公開初週の国内映画ランキングでは早速1位にランクインしています。

僕は普段ほどんど映画を見ないんですけど、あまりの評判の良さと、「これは見るべきではないか」という野生の勘が働いた結果、なんと公開初日にTOHOシネマズ新宿へ足を運びました。

で、これはもう真っ先に皆さんに伝えないといけないんですが。
この映画は絶対に映画館で見てください!
※できるならば大画面、かつ良い音響で!

映画館で見る映画ならではの興奮がとにかく詰まってる作品なので、家のこじんまりとしたテレビではなく、大きな画面で、大勢の人と見るのが良いと思います。ましてやミュージカル映画、音楽がどれもこれも名曲ばかりなので、良い音で見た方が絶対に感動します。

と、正直なところ、ここでブログを閉じて、前情報をあまり入れずに見に行って欲しい(自分もそうだったので)のは山々なのですが、見た!という方や、もう少し突っ込んだ感想を!という方のためにここからまだまだ書きます。ネタバレはしないですけど、未鑑賞の方は踏みとどまるならココです。

この映画は始まってすぐに観客をスクリーンの中へ引きこんでくれます。圧倒的なワクワク、高揚感に包まれたオープニングは、ホント最高!前述の通り、あまり映画館に行かない僕なのですが、いきなり「非日常」へといざなうパワーを持った映像のおかげで、「ああ、これは映画館で見てよかった」と思いました。開始5分で元取ったな、くらいの勢いです。人目を気にしないでいいなら、立ち上がって拍手したいくらいの興奮が待ってます。

そこから映画が始まっていくわけですが、とにかく「なんじゃこりゃ!おもしれー!」となる凄いシーンが多くて。音楽自体いい曲なんですが、そこに負けてない、どころか、それを食うぐらい魅力的なビジュアル満載で。ワンカットならではの躍動感や、カラフルな色使い、ダイナミックな構図。ストーリーの無い映像集として見ても楽しめそうなほど。
だからこそ、ストーリーの中に出てくる、とても重要な、主人公2人のすれ違いを見せるシンプルな会話だけのシーンがとても映えます。まさしく静と動。

あと見せ方が凄く上手い。たとえば主人公の2人それぞれを紹介する序盤では、同じ時間軸を2回それぞれ見せることになるんですが、カット割りなどが意図的に同じように作られていて、今思えば同じ時間軸を生きる「平行世界」を意識的に描いていたのかと思わされます。というのも、最後の最後で、この映画の最も肝ともいえる、あるもう一つの「平行世界」が展開されるわけです。まさに映画のクライマックスなのですが、ここを見せるために、それまでのシーンがフリとして機能していたと思わせるほどドラマチックであり、楽しく描かれれば描かれるほど、観客は「あの時、ああしていれば・・・」というたらればの世界に引き込まれ、彼らの心情に自分を重ねつつ、とても切ない気持ちでいっぱいになります。ここが本当にビター。ハリウッド的で愉快な映像は、前フリさえなければとってもドリーミーでハッピーなのですが、この一つのフリのおかげでめちゃくちゃビターなのです。その結果、映画を見終わる頃に自然と泣いてしまい、じんわりとした気持ちになります。

ストーリーだけを追いかけたら、確かにそれほど大きな起伏があるわけでもなく、「そんなわけないだろ~」的な人間描写の甘さはあるんですけど、それらを超越した「映画力」とでも言うべきか、映画ならではのパワーや演出、そして、最後の仕掛けへ持っていく構成が、「この映画すげー!」という感想へと引っ張ってくれます。随所に出てくる様々な映画へのオマージュなどからも、監督の映画への愛情がたっぷり感じられ、だからこそ作れた映画なのでは・・・と思います。

「夢追い人もいつかは夢が叶う」的なメッセージも確かにあるにはあるんですけど、この映画の重点はそこではなく、「あの時こうしてたら・・・」と過去を悔やみつつ、でも、それでも、今がこうしてあるのは、自分の人生をきちんと全うしていたからだよ、となる、「人生振り返りショー」的な部分なのではと思います。そのため、観客はそれぞれに自分の今までを振り返り、ビターな気持ちになりつつも、でも、今がこうしてあることも確かだね、と、ハッピーな気持ちになれる映画だと思います。とはいえ、個人的にはそこはどうでもよくて、とにかく映像が楽しいから見てくれ、って感じです。デートムービー・・・と思わせておいて、実は違います!ぜひ見てください!最高の音響と映像で!