しかし、戯言。

ぐうたら社会人がぐうたら思ったこと

童貞、高級ソープへ行く。

「高級ソープに行きたい」

私は大学生の頃、なんとなく眠れない深夜にボケーっと、高級ソープの店舗サイトや体験談を巡ってしまうことが度々あった。仕方ない、それほどの性欲は常にあるのだから。にんげんだもの
高級ソープで繰り出されるサービスの数々は、漏れ聞こえてくる体験談を聞く限り、男にとって相当の桃源郷らしい。なんなら文字面を読んでいるだけで興奮してくる位だ。深夜のモヤモヤとした気分に寄り添うのには十分な材料であった。
ただし、高級と名の付くだけあって、それは相当の高額らしい。そこらの人間が軽い気持ちで足を踏み入れてはならぬようだ。とはいえ、行きたい。
「風俗なんて・・・」と言われてしまうのは仕方のないことですし、嫌悪感を抱かれるのも重々承知なのですが、それでもやはり、高級ソープには一度くらい行ってみたい。もはや私からしたら、「性的興奮を満たしたい」というもの以上に、「広がる興味・関心に答えてあげたい」というもののために、高級ソープに行きたくなっていた。
…いや、それは嘘だ。エッチなことがしたいから、それに尽きるに決まっている。ブログでまでカッコつけるのはダサいので辞めたほうがいいと思う。
とにかく、私は高級ソープへ行きたかった。皆がディズニーランドへ行きたい、海外旅行へ行きたい、と言うように、私は、高級ソープへ行きたかった。

4月から縁あって仕事を始めた。大学に6年も通い続けてしまった私を、心優しく受け入れてくれた会社には本当に感謝しかない。驚くことに、内定が決まったのは3月29日、入社したのは4月3日なのである。ありえないスピード感だ。
そして、働き始めた、ということは、つまり、アレがもらえる。そう、給料だ。
初めて給料が入った口座を開いた時に、ドキドキしてしまった。こんな金額が自分の口座に入っているという状況が初体験だからだ。そして、ウキウキで初任給の使い道を考える。
「やはり、世間一般の人々がよく言うように、これまでさんざんお世話になった父母に何か使った方がいいな。」「今までファストファッションの服ばっかり買っていたけど、ちょっといい服買えるな。」「友達から借りてたお金、返さないとな。」

「ソープ、行けるな。」

こうしてソープへ行く決意を固めた。ゴールデンウィークの振り替え休日が平日にもらえることは分かっていたので、その日に向けて調査を進めていく。
そもそもソープはどういうシステムなのか、どこがいいのか、どんな子がいいのか…。
大学時代、必死に卒業研究で文献を読み漁ったときのように、とにかく多くのサイトを読み漁った。この頃のGoogle Chromeの履歴を見られたら、僕はおしまいだと思う。
最初はやはり、吉原に行きたい、と思っていた。テレビやラジオで様々な芸人の風俗話を聞いていると、やはり「ソープといえば吉原」という方程式ができあがってしまう。北海道にいた頃から、「ソープのある街は吉原」とはっきり認識していたくらいだからだ。
しかし、調べているうちに、新たな風俗街の候補が上がってきた。川崎・堀之内だ。
堀之内はどうやらテクニックが良いらしい。そして、やけに評判の良い店も見つかった。しかも横浜からなら、川崎の方が近い。決まりだ。
その後値段表や評判とにらめっこしながら、無事一つの店舗を決めた。非常にお高いが、まぁ人生一度きりの打ち上げ花火と思えば安いモノだ、と、必死に思い込んだ。

問題はここからだ。お相手をどうするか。
女性の方はご存じないかも知れないが、風俗嬢がサイトに上げている写真は、往々にして「パネマジ」と呼ばれる特殊な加工を施され、随分と美化された状態に仕上がっている。また、口元にモザイクがかかっており、顔が見れない嬢も多い。ホームページNGの嬢に至っては、顔すらも隠れている。困ったものである。だからこそ、必死のリサーチが必要なのだ。
そして、とにかく調べに調べた結果、一人の女性が見つかった。大人っぽくキレイで、痴女タイプで言葉攻めが好きな嬢だ。この人にしよう、と決意し、眠りについた。

作戦当日。ソワソワしながら私は目を覚ました。しかし、どこかモヤモヤした気持ちがあった。「本当にこの人でいいのか?」という迷いだ。というのも、調べていくうちに分かったことが一つある。どうやら、相当に年齢のサバを読んでいる。サイト上では(21)と表記されているが、調べると7年近く店に在籍しているようだ。(21)な訳がない。サービスの評判はとてもいいが、凄く引っかかる。
こうして迷っているうちに、店舗のサイト上ではどんどんと、その嬢に指名が入っていく。このままでは遊べない。どうする、どうするんだ俺。今思えば単にソープへ行くことに緊張して、踏ん切りが付いていなかっただけなのだろうけども。

そんな迷いを無理やり引きちぎるため、とりあえず家を出て、駅へ向かった。
その道中であった。チリンチリンと鐘の音が聞こえてきた。

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托鉢僧だ!

何もこんなタイミングで現れなくてもいいのに、私の近くを托鉢僧が歩いて行った。煩悩にまみれた私を察知したとでも言うのだろうか。「誰にしようか…指名しようか…」と悩む私の横に、チリンチリンと托鉢僧の鐘の音が鳴り響いていく。しかし、そんなもので煩悩が収まるわけもなく、ムラムラとモヤモヤは広がるばかりだった。

電車へ飛び乗り、川崎へ向かう。あっという間につく。電車を降りて堀之内へ向かう。

街についた。結局予約の電話はしていないまま、街についた。キャッチが私を見るなり、何やら大きな声で話しかけてくるが、大音量でiPhoneから音楽を聞いている私には関係ない。しかし、その勢いに怖気づいてしまった私は、逃げるように街から離れてしまった。
平日の風俗街は、当然人がそれほどいない。だからこそ、私のような人間でも、貴重な商売相手なのだ。そしてがっついてくる。それが怖かった。ましてや風俗に初めて行く、というので、私は相当に緊張してるのだ。ビビってしまうのも仕方ない。
目当ての店のサイトを見る。気づけば多くの女性が「今からでもご予約できます」になっていた。これは指名しなくても行けるのでは・・・?という考えが頭によぎる。誰にあたってもきっと満足できそうだ、と感じたからだ。
ビクビクしながら再び街へ近づく。この感覚はそうだ、中学生の頃、ヤングマガジンに載っている袋とじの範田紗々がどうしても見たくて、近所のコンビニに足を震わせながら店へ行った感覚と同じだ。青年誌の袋とじなんて、どうってことないモノなのに、当時の私にとってはとってもエッチなものに感じて、店へ行くまでもとにかく緊張して、店に入ってからも何度も本棚のあたりをうろちょろして、買おうか買うまいか迷い、最終的にソワソワしながらレジへ持っていき、逃げるように家へ帰っていったのだった。あの時と同じように胸がとにかくバクバクしていた。

意を決して、私は店へと足を踏み入れた。

とっても大切なことを書き忘れていた。タイトルでお察しの通り、私は童貞だ。いや、童貞だった。つまり、ソープへ行くということは、童貞卒業も意味していた。数ある風俗の中で、本番があるのはソープだけなのだ。
こうしたこともあって、私は緊張していた。何もかも未知の世界だったのだ。怖くて仕方なかった。それでも、高級ソープへと入った。

「いらっしゃいませ」

小奇麗なカッコをしたボーイが立っている。私は受付をする。

「当店は初めてですか?」

「はい」

「ご予約はされていますか?」

「していません」

「かしこまりました、待合室へどうぞ」

そして、マジックミラーの自動ドアの先へと通された。

待合室には椅子がずらりと10個ほど並んでいた。すでに2人ほどのお客さんがいる。平日の夕方から高級ソープに行けるおじさんって、今までどんな人生を過ごしてきたのだろう。そんな穏やかな疑問を抱いていると、席に通された。
しばらくすると、iPadを持ったボーイが自席に現れた。

「当店、高級店となっておりまして、お写真見られるだけの入店はできませんが、よろしいですか?」

どうやらナメられている。そりゃそうだ、ユニクロで上下の服を固めた、そんなにお金を持っていなさそうなおじさん(外見だけなら残念ながら30代に見えてしまうのが私だ)に見えたのだろう。ここは高級ソープだ。お金が出せなければ、店の裏から黒服の男が現れ、切り刻まれてしまうのかもしれない。
しかし、ボーイの予想とは反し、あっさりと「大丈夫ですよ」と私は言葉を返した。なぜなら、手元には初任給がある。ATMでドキドキしながら下した万札がいる。
するとボーイは手元のiPadに電源をつけ、私に今から指名できる嬢の写真一覧を見せてくれた。予想通り、多くの女性が指名できる状態だった。しかし、飛びぬけてこの子がいいという子がいない。「うーん」と思わず声に出して唸っていると、そうした様子を察したボーイが私に様々な質問を投げかけてくれた。

「どんなプレイがしたいですか?」

「キレイ系とかわいい系だとどっちがタイプですか?」

「新人とベテランだとどっちがいいですか?」

「スタイルはどんなところを重視されますか?」

一問一問、私の性癖をべりべりと剝がすような質問だった。しかし、私はダサい照れ笑いを含みながら、きちんと答えた。すると一人の嬢に絞られ・・・ということはなく、結局のところ一長一短で、色々な女性を薦められてしまった。質問に答えた意味はあまり無かった。ただ性癖を知られただけだ。
悩みに悩み、何度も写真を拡大した結果、なんとか一人の女性に絞ることができた。
「〇〇さんで」「かしこまりました」
そして、この時点で高額な現金を渡すことになった。もう後には戻れない。ブルブルと手を震わせながら、現ナマを手渡した。お釣りを受け取ると、40分ほど待つことを告げられ、紙を手渡された。細かくプレイを指定できるアンケートだった。より詳細に私の性癖を晒しださなければならなくなった。けれど、ここはせっかくの高額ソープを100%満喫するためにも、正直に書いた。自由記述の欄もあったので、「初めてです。リードしてくださると嬉しいです。あとエッチな言葉に弱いです。」ときちんと書いた。大体こういう所だと、童貞ということをひた隠しにしてカッコつける男も多いと聞くが、どうせ初めてなら思いっきり身をゆだねた方がいいに決まってるだろ!と思っていたので、全部ちゃんと書いた。すると、ドリンクのサービスがあった。ご丁寧に栄養ドリンクまでサービスしてくれた。

待ち時間が始まった。これが意外と長い。待合室には大きなモニターがあり、そこで在籍する嬢のプロモーションビデオが流れているのだが、どの子も可愛い。そして、当然セクシーなアピールをしており、谷間を強調したり、舌なめずりをしたり、胸でポールを挟んだりしている。普段の自分なら間違いなくこの程度の映像で興奮し、勃起するはずなのだけど・・・しない。困った。そう、めちゃくちゃ緊張している。
もう完全に体がバクバクしていた。今自分がここにいるという現実が受け入れられない。それに加え、この後自分がどうなるのか、予想もつかなくて緊張している。とりあえず爪を切る。まだ緊張している。リクライニングの椅子をフルに倒しきる。まだ緊張している。とりあえず栄養ドリンクを一気飲みする。逆に鼓動が早まってしまった。
トイレへ行き、用を足すと、便器の近くにきちんと身体用の消毒シートがあった。当然エチケットとして、きちんと丁寧に拭き、また座席へ戻る。気づくとモニターに流れている映像はループしていた。しかし、まだ緊張していた。どうなるんだ俺。
こうしてソワソワしていると、時計はいよいよ、その時間を指した。ボーイに案内を受けた時間だ。やばい、鼓動は上がりっぱなしだ。いまだ勃起しない。このままでは、「挿れたもののイけなくて変な空気になった」という童貞あるあるを自分もしでかしてしまうのではないか。そうした不安がよりプレッシャーとなった。そうこうしていると、ボーイが来て、「お待たせしました」と告げられた。時は来た。待合室を出て、入り口のフロアに通される。
目の前には階段があり、カーテンがかかっていた。
「それでは110分、どうぞごゆっくりお楽しみください」
身体をカチコチに固めながら、階段を一段ずつ上っていった。

カーテンの先、階段の通り場には指名した女性が三つ指で待っていた。うわ、写真で見た世界だ!そして、嬢に自己紹介される。「よ、よろしくお願いします…」とガチガチに緊張しながら挨拶し、肩に背負っていたリュックを預け、さっと手を握られ、恋人のように指を絡めると、4階まで案内される。
部屋に到着するまでの時間、無言だ。ずっと無言。怖い。相当自分の顔も強張っていたと思う。ちなみに指名した嬢は写真のまま、いや、それどころか、写真より可愛かった。しかし、どこか親しみやすさがあるとてもいい子だった。
部屋につくと、そこにはベッドと浴槽、そして、AVで見たことのあるスケベ椅子や大きなマットが待ち構えていた。うっすらとムーディーなJ-POPが流れている。いよいよ来てしまった、ソープ。
部屋につくと改めて嬢から自己紹介があった。「初めてなんですか?」「は、はい。」「ピンサロとかも無いんですか?」「はい」「そうなんですねー」と、何の意味もない会話をしていると、徐々に服を脱がされていく。そう、高級ソープはなんと即尺があるのだ。即尺を知らない人はGoogleで検索してほしいが、要は「即」「尺」なのである。すぐ尺である。そのため、どんどん服を脱がされていく。脱がされた服は、一枚一枚丁寧にタオルに包んでくれた。そうか、この丁寧なサービスが高級ソープなのか、と感動していると、気づけば下着一枚になっていた。
ここで喜ばしい事態があった。なんと、勃っていた。衣服を脱がされる、というだけの行為にも関わらず、異様に興奮してしまった。もちろんドキドキはしているのだが、それでも勃っている。これは「イかずに終了」を回避できるのではないか!とワクワクしていると、サッと股間にタオルをかけられ、いよいよ下着も脱がされた。全裸だ。
全裸になると早速キスが始まる。唇と唇を重ね、舌を絡ませる。チュパチュパといやらしい音を立てていると、より股間がスクスクと元気になった。すると、嬢も「脱がせて」と言ってくるので、一枚一枚服を脱がせていく。初めてのホック外しも、抱きしめながら指で探っていると、案外上手くいった。さてブラを外すか・・・というところで一回ブラを押さえられる。「おっぱい見るの初めて?」「は、はい・・・」「そっか。じゃあちゃんと見てね・・・」と焦らされると、ゆっくりブラを外してくれた。正直なところ、こういうブラの取り方が、元々AVでも大好きだった私は、相当に興奮した。そして、セクシーなTバックの下着も尻を触りながら脱がすと、相手も全裸になった。ここでまた、抱きしめながらキスが始まると、興奮したソレが相手の身体に当たるのが分かった。超テンションが上がった。
そして「咥えるね」と言われると、尺が始まった。そう、尺だ。つまり、その、フェラチオだ。気持ち良い。気持ち良いなのだけど、脳みそにアレがよぎる。

https://www.tenga.co.jp/uploads/sites/2/2015/06/1R_1.jpg

そう、TENGAだ。TENGA ディープスロートだ。
もはや定着しすぎていて、今更説明しなくても良いかもしれないが、TENGAは我々の世代に衝撃を与えたオナホだ。その良さは数々の芸人が語り、その度「使ってみたい」と想像を膨らませていたTENGA。大学生になり、一人暮らしを始め、ドキドキしながら使ったTENGA。気づけば何か良いことがあると、つい買ってしまっていたTENGA。そうTENGAだ。何個使ったかまでは覚えていないが、私は結構TENGAを使っていた。
そんなTENGAが頭によぎったのであった。なぜなら、あまりに口でされる感触がTENGAだったからだ。TENGAの凄さを身をもって体感した瞬間だった。

そして気持ちよくなっていると、「横になろっか」と言われ、ベッドへと身体を移す。嬢が自分の上にまたがり、体を舐められる。ここで気づいたのだが、乳首舐めが相当に気持ち良い。もうヤバい。どうにかなってしまうんじゃないかと、頭の中がグルグルと極彩色になってしまった。思わず「気持ち良い」と言ってしまうほどだった。
「何かしたいこと、ある?」と聞かれる。なんて優しいのだろうか。私は正直に「胸を触りたい」と告げると、嬢が下になってくれた。私は無我夢中に身体を触り、いっちょ前に乳首を舐めたりした。
そうこうしていると、「しよっか」と言われた。ついにその時はきた。口でコンドームを装着され、アソコへと入れると、嬢は身体を上下に揺らし嬌声を上げた。興奮して私も身体を動かしていると、あっという間に絶頂を迎えた。イったことを情けない声で伝えると、「よかったね」といやらしい口調で言われた。よかった、無事に終わった。

そこからの時間は色々とあったが、この調子で書いていてもただの風俗サイトの体験談になってしまうので、箇条書きで割愛させていただく。詳しく聞きたければ飯を奢ってほしい。

・他愛のない会話で気づけば落ち着いた気持ちになってきた

・最初はガチガチに緊張していて、丁寧口調だった私に「どうなるか」と心配していた嬢も、始まっちゃえば「大丈夫だったよ」と伝えてくれた。
 「初めてでいきなり高級ソープはそりゃ緊張するよ」

・同じように童貞を捨てに来た人の話、一人暮らしの話、東京駅で迷う話、これまでの女性遍歴の話、ソープ嬢を始めた時の話・・・

・「好きな女優は?」「吉岡里帆」「えっ・・・誰!?」

・「どんな音楽聞くの?」「ロック」
 「好きなバンドは?」「ASIAN KUNG-FU GENERATION」「えっ・・・有名!?」

・身体の隅々まで洗われる。くすぐったがりなのでついつい爆笑して笑われる。

・スケベ椅子って凄い

・風呂に入ると潜望鏡。これが潜望鏡か・・・。

・「マット考えた日本人って変態だよね」「ホントド変態だと思う」

・いよいよマットプレイ。ありとあらゆる身体の部分が触れ合う。

・全身ローションでヌルヌル。これは興奮する。

・ケツまで丁寧に舐められる。凄い。

・マットプレイでも乳首は気持ち良い。

・そして二回戦。今度もあっさり絶頂。

・身体にタオルをかけられ、その上からシャワーをかけられる。

・風呂の中で身体をタオルで擦る。ローションはなかなか落としづらいらしい。

・プレイの後のコーラは美味い。

・実家住みなので名刺を渡しても大丈夫か心配される。もちろん貰う。

・名刺にはメールアドレスが書かれていたが、まだメールを送っていない。

そんなこんなで110分の終わりを告げるベルが鳴った。一枚一枚服を着て、元の姿に戻っていく。どこか自分の中で爽快感があった。あの時とは違う感覚で、嬢の手を握りながら階段を下りていく。そして、踊り場につくと、「ではここで」と挨拶され、最後にお別れのキスをした。私は「じゃあね」と手を振り、カーテンの先へと足を進めていった。そして、アンケートを書いて店を出る。

終わった。一通り、すべてが終わった。よく童貞がソープへ行くと、喪失感や後悔で胸がいっぱいになる場合があるそうだが、私は全く違い、びっくりするほどすっきりとした感覚があった。少し背筋がピンとしたような気すらする。人生の希望、「頑張って生きよう」という活力すら湧いてきたではないか。
気づくと、私はiPhoneMr.Childrenの「優しい歌」を聞いていた。


ちなみに高級ソープは6万7千円でした。もう行かないと思います。
…と書こうと思っていたのですが、こうしてソープの経験を思い出しながらブログを書いていると、不思議ともう一度行きたいという感情が湧いてしまいました。

でも、もう行かないと思います。